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Whiplash(アイルランド)

Whiplashは、AlanとAlexの2人で2016年に、仕事とは別で、ライフワークというか趣味に近い形でスタートした。

2人は、2015年Rye River Brewing Company(アイルランド)で働いている時に出会い、週末にブルワリーでは小さすぎてもう使わなくなったタンクを借りて少量のビールを遊びで造っていた。元々、年に3~4回作るだけの予定だったのが、周囲からの要望が高まるにつれ、アイルランド国内だけでなく、ロンドン・スイスといったアイルランド周辺の親しいブルワリーのタンクを借りて醸造することになる。

二人は根っからのビール好きで、趣味で醸造所を借りてビールを作っていた。
もっと発展させる為に色々話を進めていたものの、2017年の終わりまでにはWhiplashだけに専念するにはまだ悩むところがあった。
アイルランドとヨーロッパのいくつかの施設を借りて醸造していたものの、2018年がまさにWhiplash元年で、2019にはダブリンに自分達の醸造所を立ち上げた。

Alexは、18歳で学校を卒業するなりダブリンのブルワリーでバーテンダーとして働き始め、以来ずっとビールの業界に身を置いている。そうしている内に、自分がサービングしているビールがどう造られているのか興味が湧いて来た事と。
 彼自身、飲んでみたいスタイルのビールが色々あったものの、当時は買えるビールの選択肢がほとんど無かった為、21歳の頃に自分でそう言ったビールをホームブルーイングで造り始めた所から彼のブルワーキャリアはスタートしている。

当時インタビューを受けたAlexのコメント「ビールと醸造についてもっと知識を蓄えて、それで夢中になってしまったんだ。真剣に醸造家になろうと考え始めて、26歳までには近所のまあまあの規模のモダンなクラフトビールの醸造長になった。この仕事をして11ヶ月になるけど、順調に成長しているし、毎日楽しいよ。ビールを仕事にするのはCoolだね。」

一方の、Alanは某大手ブルワリーを始め様々な大きな醸造所でのオペレーションマネジャーを長らく務めた経歴を持ち、現在はブルワリーの原材料の調達から販売までありとあらゆつオペレーションをブン回している。

彼らは、出会ってから凄いスピードでファントムブルワリーを作ったが、より納得の行くビールを作るのに少しずつゆっくり取り組みたいという想いからWhiplashという自分の会社を作って、1年目で2つのビールリリースし、それは大好評を博した。

2017年までに二人は、当初働いていた醸造所での仕事も含め、24時間体制の醸造スケジュールとかスーツを着てのミーティングとかそういったことはやめた。
(余談ですが、当時働いていた会社で彼らは2500Lの設備で1日6~8回マッシュをしていたそう…)

頭の中にあった色々な考え事は置いておいて、それよりもっと楽しいことに注力する事だった。
Alexは醸造を担当して、Alanは可能な限り、違うスタイルをミックスさせたコマーシャル(宣伝・営業活動)をやった。
2018年にはWhiplashだけに集中するようになったが、十分な資金もなくブルワリーをするのは非常に難しく、アイルランドとヨーロッパ各地の施設で設備を借りて醸造を行っていたものの、基本業務をこなしながらあちこちのブルワリーへ行きビールを造るだけでなく都度原材料の調達までこなすのは、大変だったと語る。

2019年にはアイルランド最高の国際的なビールフェスティバルであるFidelityの立ち上げとダブリンの自分たちの新しいブルワリーの発表も行った。
(このFidelityは、ある種彼らの仲間に向けてブルワリーのお披露目も兼ねていて海外の多くのブルワリーがイベントに駆け付けた。)

Whiplashのビールは現在、イギリス、イタリア、スペイン、フランス、フィンランド、オランダにも輸出されており、今後も他の国への輸出が予定されているが品質の安定性を大切にし、そしてこれからも常に重視している。

2020年7月時点では、イベントでKegをアメリカに持ち込んだ時を除いては、ヨーロッパ以外で販売されるのは日本が初めて!!

彼らの風変わりなビールの名前のほとんどは、歌やアルバムなどといったカルチャーから取っている。
人気のある’Bone Machine’はピクシーズの曲から取っていて、それは二人がピクシーズのファンだからなのだが、宣伝にも非常に役立った。
ピクシーズがこのビールについてツイートしたところ、ページのアクセスは急増した。

別のビールDIPAの”Gravity’s Rainbow”は、アメリカの作家トーマス・ピンチョンの1973年の小説にちなんで名付けられた。
「読むのが難しいことで有名な本なので、飲むのが難しいビールを作りたかっ
たんだ!」とAlexは笑う。
「でもだいたい、こんな風にビールの名前を付ける事によって、自分たちのメッセージをより伝えていることになるんだ。うちは他のブルワリーのように、いろいろな気の利いたビールの名前を考えたくはないんだよね。
他の醸造所は週に3つやるところを、まだまだ限定醸造もそれ程やってないしね。」と同時に語る。

設備

比較的にコンパクトなブルワリーだが品質は今までのファントムブルワリー時代より良くなる。
(コンパクトと言いつつ、日本基準で見た時の彼らの醸造タンクは中々デカい)
彼らは、素晴らしいブルワリーを自分達で設計出来たもののまだまだ、改善の余地があると言い更にブラッシュアップしていく予定です。
新しいブルワリーでは、今まで中々出来なかった実験的なビールが造れるようになり、そういったビールもこれからしっかりとリリース予定。
今までジプシーブルワリーでは中々十分に出来なかったバレルエイジやインペリアルスタウト等も醸造し初めている。

あまり見慣れない設備としては、蒸留酒の製造に時折使用される機器”マッシュフィルター”をクラフトブルワリーとしては非常に珍しく導入している。
効率的にビール造りが出来るだけでなく、クリアで鮮度の高い麦汁を品質のブレが少ない形で造る事が出来る。
また、ボイラーをバイオ燃料で稼働させ、低酸素醸造システムであり、二酸化炭素を削減も取り組んでいる。

アートワーク

Whiplashのアートワークを担当するSophieは、10代の頃から自身でアート制作を始め、2006年よりダブリンで活動しています。
彼女は、写真を勉強してから美術の道に進んだ事もあってか、いつもフィルムとアナログカメラを使っていました。
自分で見つけた素材を背景とか小道具として写真の中に組み込むといった事をしていましたが、そうしている内に既存の素材を使うだけでなく、紙やフィルムの上で色々なイメージや素材を組み合わせるようなスタイルに変わっていきました。
彼女が、Instagramをやり始めてからは、コラージュ(絵画の一種で色々な性質のバラバラな素材を組み合わせて壁画のような造形作品を作る画法)をメインに活動する作家をフォローするようになり今のスタイルに至る。
そうして出来た作品をSNSでアップしたり、イベントやバンドのポスター等を制作したりオンラインで作品を販売している内に、オーナーの1人Alexが彼女の作品を気に入りアートワークの依頼をした事から始まりました。

ラベルをデザインする時は、ビールの名前を聞いてからその名前の意味だとか、どんなイメージかとか、アイデアやストーリーを思い浮かべ、自分のスタジオで整理している沢山の箱の中から、雑誌や本から見つけた大小さまざま・そして色も様々な画像や切り抜いた画像を全部バーっと床の上にに広げて、さっと見てから、ビールのストーリーに何か繋がりを感じられる「これだ!」という画像を選んだり、過去に撮影した写真や絵の具・インク等を組み合わせながらラベルデザインが完成します。
現在でも彼女の作品は全てアナログで作られており、今では芸術シーンにおいても彼女の作品メインのギャラリーやショーが開催される事もしばしばで、ビール造り≒アートという彼らの想いがアートの面でも結実していると言える。

WHIPLASHの由来

WHIPLASHを日本語にすると、「むち打ち症」?結構疑問に思われる方も多いのではないでしょうか?
彼らの会社が立ち上げられたのは、2人がまだ別のブルワリーで働いていた頃で、当初は「ホワイトラベル」いう名前にしようと考えていたそうですが、別の飲料会社が商標を持っていた事もあり、別の名前を話合っていた時…

前述の通り2500Lのビールの仕込みを1日6~8回という凄く多くの回数を2人で一緒に仕込んでたら首痛かったそうで。
首痛い≒もうむち打ちなるわ!的な(笑)

自分たちのブルワリーを立ち上げて間もない時期にコロナに直面した彼らですが、今まで出来なかった実験的でチャレンジングなビールを継続して作っていこうと言う想いはブレず、そして大変な中でも「このビールはカラーが納得行かなかったから味は美味しいけど醸造し直すのでもう少し待ってくれ」と言ったやり取りをしたり、品質への想いも純粋に敬服します。

今後の彼らの成長というか発展を共に見守って頂けると嬉しいです。

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