イギリスは、スコットランドの北部に位置し、エディンバラより電車で1-2時間程の、海に近く昔風情もやや残るDundeeに位置するHoly Goat Brewing。
Mix Culture(混合培養酵母)と木樽熟成をメインとするブルワリーです。
醸造所の名前は、野生酵母(ブレタノマイセス)の特徴である「ヤギ」のようなアロマの性質をもじった所に由来しています。 創業者の1人であるJohnnyは、現在2018年頃よりスコットランドで急成長を遂げているVault Cityの元々創業者でもあります。
15歳の時に地元のパン屋で買ったリンゴジュースをイーストで発酵させたことから、発酵に興味を持ち始めた所から彼のビールとの繋がりがスタート。
考古学のPhDを取得する為に、エディンバラの大学に通うも段々ビールの醸造の方が興味の比重が高まって行った結果、近所で有名なホームブリューショップと50LのPilot Tankでビールを醸造したりしているBrew Pub:The Hanging Batで働き始めます。
(余談ですが、このBrew Pubのアルバイトの面接で当時のJohnnyと喋ったというブルワーが普通に大阪にいて驚きました…笑)
この、Hanging Bat時代に50Lという小仕込みだった事もあり色々なスタイルや実験的な醸造も試せた事で大きな経験を得ます。
そうこうしながら、ベルギーのAlvinneへ研修で一時的に働きに出たり、国内の多くのWild Aleのブルワリーを巡りながら勉強を重ねていきます。
そして、当時の上司の紹介でVault Cityの共同創業者Steveを紹介され、一緒にブルワリーを立ち上げる事に。
Johnnyの開発したレシピに基づいて造られたベースビールにフルーツ等の副原料を添加し、再発酵させ、スグに発酵を終える混合発酵のスタイルを中心としたこの取り組みは、Steveの自宅キッチンからスタートし、2018年瞬く間にイギリス中で人気を博します。
ブルワリーは、拡大期に向かい、より商業的規模へカジュアルな方向性も踏まえて動き出した中でコロナ禍に突入。
そうした中で自身の原点と向き合った結果、ベルギーのラインビックやFarmhouseのようにもっと発酵に向き合い長い時間を掛けて造る複雑なFarmhouseやWild Aleを作りたいという自身の想いとのギャップを感じ始め、改めて自身のブルワリーを立ち上げる事を決意し立ち上げられたのがHoly Goat。
一度、大きな成功を収めながらも、原点に立ち戻り新しい挑戦をスタートした彼は、現在可能な限り全ての原材料をローカルの物で醸造しようと進めており、より真っ直ぐスコットランドでMix Cultureのビール造りを楽しんで突き進んでいます。
そして、それ程沢山飲まれるようなスタイルでないにも関わらず、彼のビールは非常に高い評価を得ており、スコットランドで訪問したクラフトビールのお店の多くに置かれていました。
そして、彼に連れて行って貰ったパブのスコッチエールも抜群に美味かった。。
アートワーク:Jimbob Isaac Johnnyの好きなメタルバンド(The Melvins, Mastodon, Clutch, High on Fire, Orange Goblin, Red Fang)や、Hellfest, ArcTanGent ,Templesといった音楽フェスでもアートワークを手掛けている地元のアーティスト。